伊東ぢゅん子のひとりごと

2004/03/30 | もみじマークのオヤジって!

旦那がホームに落ちたときも、問題おこしたときもいつも思うのが「人生って何が起こるかわからんもんだなぁ」と。いえ、最近も少しだけそう思う出来事があったもんで、つい。
3月下旬はここ半年ぶりのヒマな週でして、ついつい「こんなゆとりがあるときくらい」ってカンジで事務所を夕方16:00に退社して保育園まで娘を迎えに行けた幸せな数日間。実家の両親にすげえ寄生している伊東ゆえ、たまにはこういう時くらいは親孝行しておこうと、その日は夕食づくりを名乗り出ていたワタクシ。母親に「何が食べたい?」と聞いたら「ナポリタン」と言われ、そんな簡単メニューかい?と思いつつ、煮物焼き物大得意の母にとってはナポリタンは憧れの、かつ庶民派代表の洋食なようなのらしい。昭和ひと桁生まれの母のリクエストにほほえましく思いながら、贅沢なナポリタンを作ろうとスーパーマーケットに食材を購入しに行った時の話し。
そのスーパーマーケットは相当駐車場がでかくて、とめやすいのでたま~に利用するのだが、買い物袋をぶら下げてマイカーに近づいた時、すごい四苦八苦している車を見つけてしまった。だって、左右に乗用車が止めてある、一台分空いたその場所へ駐車しようとしたその車、「あ~、それ、きりすぎ!」と思ったとたん左に留めてあったワーゲンのお尻部分にガガガガガッ!とすごい擦り方をしているじゃありませんか!しかも前に行ってもガガガッ!後に下がってもガガガッ!もう見ているこっちがココロが痛くなるほど。主のいないワーゲンはその悪戦苦闘している紅葉マーク付の白いマーク2(しかもボコボコの車)に弄ばれているようだった。ついつい「うわ~」と思いつつ、見入ってしまった伊東。とはいえ、野次馬根性むき出しもかっこわるいので横目でチラホラ見ながら3台先に停めてあったマイカーに荷物をどっこいしょ!「トイレに行きたいなぁ」という娘に「すぐお家に帰るから我慢できるね?」と言いつつ、どうしてもその紅葉マークの行く末が気になるワタシ。
さんざんガガガガッしたあとで車から降りてきた初老のオヤジはさて、どうしたものかと、頭を抱えながら周りをきょろきょろしているし。ジロジロは見ないまでもと~っても気になるのでついついその初老オヤジの次の手を見届けたかった伊東は車の中でほんの数分待機。こういう時、自分だったらどうするかなぁ~と思いつつ、正義感の強い人間だったら車をそのまま停車させ、スーパーマーケットにもどってワーゲンのナンバーから主を呼びだしてもらうんだろうなぁ。オシャレにしてあるワーゲンじゃなくて、配送車ですげえこきたなくてボロボロの車だったら逃げちゃう確率のほうが高いだろうけどな~なんて思いつつ、ね。
3分くらいきょろきょろしていた初老オヤジ。一瞬伊東とも目があったけど、そのまま車をスタートさせちゃいましたね、紅葉カー。「おっ、逃げるんだ?」「初老オヤジもこういうことしちゃうんだ?」(いえ、おじいちゃんってイメージ的に善人ってカンジがするしさ)と思って見てたら、駐車場の出口からずっと先で一瞬とまどうように停車した紅葉カー。と、思いきや煙を上げてキュキュキュキュ~って逃げていった紅葉カー。「はぁ~、現行犯を見ちゃったけど、さてどうしたもんか」と思っていたら、丁度友人から携帯に電話が入り「こうこうこういうのをみたんだけど、どうしたらいいかね?」と聞いてみた。友人は「そりゃ、ナンバーを控えておいてワーゲンの主に渡すべき。自分だったらそうしてほしい」とのこと。ふ~ん、そうなのかぁ、とすげえ人ごと感覚だったけど、紅葉カーのナンバーは覚えていたのですぐにメモっといたわけ。助手席に座っている娘はトイレのことを忘れたワケでもないだろうが「おばあちゃんちでケーブル見る」と騒いでいたけど。
ふとバックミラーを見たら、そのワーゲン君、買い物を終えて走り去ろうとしているじゃありませんか!すかさず体が動いてしまって「すみませ~ん!」と停めてしまいました、世話焼きオバハンの伊東は。で、年の頃30才くらいのかわいい女性でしたが「さっきね、隣の車がね」と説明を。で、とにかく車から降りて見てみ、と彼女に言うとガ~ン、顔面蒼白の奥様。だってすごい傷だったもの。高さ5~6cm、幅20cmの傷が2本。しかもシルバーのワーゲンなのにボコッとえぐれて黒い本体がむきだし。ショックで言葉がでない奥様。ここで伊東は見たことをお話ししながら「余計なことと思いつつ、、、」とナンバーを控えたメモを渡しましたぜ。この間およそ5~6分。で、メモを渡したとたんになぜか北の出口から去っていった初老オヤジが南の方から徒歩で「それ、オレ!」と小走りで表れたのですげえびっくりしましたぜ、伊東!!!しかも徒歩だし。車はどこよ?ってかんじ。駐車場はガラガラなのに煙たてて走り去ったハズなのに、逆の方から徒歩で表れたのでまじで驚いたよ。このオヤジ、善人だったのか?と思ったとたん、次に出たオヤジのセリフがワーゲンの奥様に「いくらかかるか言ってくれ」だったんですよ~!シンジラレナイ。まじでまずは「ごめんなさい」を連発するんじゃないのかね、普通は。しかも、伊東に向かって「待っていたんだけどさ、来ないしさ」と恨めしそうに弁解を。よく言うよ~、3分以内だったじゃんか、ジジイ。しかも伊東がナンバーのメモを渡したとたん出てくるか?このオヤジ、伊東がチクるかどうかをマーケットの壁から覗いていたのね、きっと。うえ~、こわっ。それでも伊東が奥様に「警察呼んだ方がいいですよ」と言ったら初老オヤジがすかさず「この程度じゃ保険、使えない!」だと。すげえ警察を呼ぶのを嫌がっていた。紅葉カー、半端なボロさじゃなかったけどそこら中こすってぶつけてるんだろうな、このおやじ。とはいえ、当人同士が揃ったのでいつまでも関わるのも変なので「じゃあ、あとはそちらで」とバイバイしてきました。車に戻ると車内に置いてけぼりになった娘が大泣き。「コワイよ~」と泣く娘にごめん、ごめんしながら「ママもちょっとコワかったよ~」と心の中で思わず叫んじまった。
あとでダーリンマンらにその話をしたら「どんなことがあっても警察を呼ぶべし!」とのこと。あのワーゲンの奥様、すげえ動揺してオヤジのいいなりになっていたからまず警察は呼んでないだろうなぁ。大丈夫かなぁと頭をよぎりながらも、そうなんだ、警察呼ばなきゃだめなのね、示談なんてだめなのね、と今更ながら勉強になった伊東。初めて知りましたぁ、ははっ。
態度はでかいけれど、気は小さい伊東ゆえ当分あのスーパーマーケットに行くのはやめておこう。
ね、人生っておもしろいよね。こんなことでお気に入りのスーパーマーケットに行きづらくなるんだもの。
3月下旬の余計なお世話してコワイ思いをした出来事でした。